ちょっと案が出たよ。なんでこんなときに・・・涙
元親です。主人公は前回のメモの子です。うん
スラスラかけたよ。インスピレーションがわいたね、この話。
駄文にはかわりないけど・・・・?
なんだか連載の第一話にできそうなお話になりました。
煉「元親!」
元「・・・・・・・・」
煉「ったく!そんなだから『姫和子』なんて呼ばれるんだよ!」
元「別に・・・・いい・・・・」
部屋の隅でうずくまっている元親にしびれをきらした煉は、乱暴にふすまを閉めた。
そして、ドスドスと足音をたてて、稽古場に向かった。
煉と元親は幼なじみで、小さい頃からともに育ってきた仲だ。
しかし、女である煉はたくましい性格に、男である元親は『姫和子』と呼ばれるほど、おとなしい性格に育った。それに、小さいころからおとなしかった元親をいじめる子どもも、煉が退治してきた。
煉としては、いずれ後取りとなる身の元親には、男らしくなってほしかったのだ。
しかし、昔から思いを寄せていた煉は、元親が嫌がるのならいいのではないかと思ってしまうことも度々あった。そんなどっちつかずの自分に苛ついた煉は、稽古場で汗を流すことにした。
煉「なんでだよ!もう!!」
怒りにまかせて竹刀をふるった。するとそこに、元親の父が姿を現した。
父「おお。精がでるな煉。」
煉「おじさま!」
父「元親も煉のように勇猛になってくれるといいのだが・・・」
煉「さっきも元親のもとへ行ってはみましたが・・・座敷の隅でうずくまっていて・・・」
父「すまないな。はやく男らしくなってくれるといいんだが」
元親の父は苦笑して言った。
父「おっと。このあと私は用があるのだった。では煉、頑張るんだぞ」
煉「はい!おつとめご苦労様です」
煉は元親の父を見送ると、汗をかいた体を冷やすために行水することにした。
そのころ元親は、未だに部屋でうずくまっていた。
自分が跡取りにならなければならないというのは十分承知していることだった。
元親はふと嫌な予感がしたので、部屋をでた。外はもう、日が傾きはじめていた。
夕日に目を細めながら、煉を探そうと歩み出した。
元親が廊下をずんずんと歩いているのを目撃した兵たちは、驚きを隠せない顔をしていた。普段は部屋にこもりっきりの元親が、廊下を回りの目を気にせずにあるいていたのだから。
しかし、当の本人である元親は嫌な予感がますます強くなる一方だったので、それどころではなかった。もしかしたら、煉に何かあったのかもしれないという考えが頭のなかを駆けめぐる。
煉「ふうっ・・・いい汗かいたなー」
一人近くの川で水浴びをしている煉。しかし、木陰には怪しい影が潜んでいた。
しかし、煉は気づいていない。
男1「おい!あんなとこに女がいるじゃねえか!」
男2「久しぶりにやっちまうか?」
男3「いや、売るのもいいんじゃねえか?」
こそこそと小声でしゃべる男たちは煉を狙っていた。おそらく山賊が何かだ。
しかし、煉はまだ気がつかない。男たちは、いっきに茂みから飛びだした。
煉「な!?何だおまえら!」
煉はとっさに持ってきていた護身用の小刀を手にした。
しかし、ほぼ丸腰の煉と少しではあるが、武装している男たちとでは勝負はあきらかだった。
呆気なくつかまってしまった煉は、もがいた。
煉「はなっ・・・せって・・・!このっ!変態!」
男2「なんだぁ?その生意気な口の利き方は・・・」
男1「優しくしてやろうと思ったけどやめだ」
煉「ひっ・・・・や、やめっ・・・・放して!」
元「何をしている」
煉は、幼い頃から知っている声のする方へ目を向けた。
そこには、いつもの三味線を持って、息をきらしている元親がいた。
その元親の表情からは、今まで姫和子と呼ばれていたことなど感じさせないくらい、怒りが滲み出ていた。煉を押さえつけている男たちを睨んだ後、ドスのきいた低い声で言った。
元「何をしているのかと聞いている」
男3「おい!こいつたしか長蘇我部の姫和子じゃねえのか?」
男1「けっ!てめえはお座敷で花札でもしてやがれ!」
元「貴様ら・・・煉を放せ。ならば命はみのがしてやる。」
男2「おまえに何ができるんだ?え?姫和子さんよぉ!」
男たちは挑発しながら、嘲笑する。
元親はそんな男たちの挑発にも乗らず、三味線をかまえた。
男2「おいおい・・・いくらなんでも、それで闘うとは馬鹿のすることだぜ?」
男1「はっはっは!戦い方もろくに知らないんだな!」
元「ふん。ではおまえらはその馬鹿に打ち負かされるのだ。覚悟しろ」
元親がそういうと、素速く走り込んできた。今まで座敷でうずくまっていたとは思えないほど、早い動きだった。元親は三味線の棹の部分を持ち、胴の部分を男の顔にぶちこんだ。
男2「ぶっ」
元「この俺が戦えぬとでも思ったのか」
元親はさらに攻撃を続ける。ベンベンッと三味線を鳴らして波紋をつくり出す。
男1「ぐあ!」
男3「うわぁ!」
男たちは一気に攻められたことに驚き、反撃ができないようだった。
これでラストだというように、元親は低い声で呟いた。
元「刻み込め・・・凄絶に・・・」
男123「うわあぁーー!!」
最後の一撃で男たちは気を失った。元親は煉の方へ振り返った。
煉は今何が起こったかさっぱりわからないというように、呆然としていた。
元「立てるか」
煉「も、元・・・親・・・・・元親ぁっ!」
煉は元親に泣きついた。よほど恐かったのか、普段は凛としている煉がとてもか弱く見える。
急にだきついてきた煉に戸惑いあがらも、煉の肩に手を置いた。
しかし、元親はそこであることに気づく。
元「煉・・・・・・・は、離れてくれないか・・・・・」
煉「どうして?」
元「あぁ・・・・・そのだな・・・・」
テンパッている元親を不思議そうにみつめる煉。元親は顔を真っ赤にして明後日の方向を見ている。どうして自分を見てくれないのだろうと思いながらも、寒気を感じた。
煉「あ・・・・・・・」
そう。煉は水浴びをしていたところを襲われたので、服を着ていなかったのだ。
煉「!!!!も、元親の・・・馬鹿ーーーー!!!!」
バシンッ
つぎの日
脱・姫和子を果たした元親を見て、嬉しそうにしていた元親の父が尋ねた。
父「ところで・・・その頬の晴れは何だ?」
元「いや・・・・ちょっとな・・・・・」
煉「あ!おじさま!おはようございま・・・・・・・」
煉は元親と目があったとたん、顔を真っ赤にして走り去った。
父「なにかしたのか?」
元「・・・いや・・・・されたというか・・・」
元親は自分の頬を一撫ですると、自然と笑みをこぼした。
END